札幌坐骨神経痛

  • 2022年5月14日 (土)

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    運動麻痺と運動失調の違いと症状

    1. はじめに

    ヒトが身体を動かしたり、物に触れることでそれが何かを判断したり、痛みを感じたりするためには、神経の働きが必要不可欠です。この記事では、神経の働きと障害された時の症状の一つである麻痺について、下肢の症状を詳しくご説明します。
     

    2. 脳神経

     
    ヒトには必ず下肢を支配する神経がありますが、運動をつかさどる神経の大元は脳にあります。まずは、脳でどのようにして成っているのかをご説明します。
     
    脳は、大きく分けると“大脳”“小脳”“間脳”“脳幹(中脳、延髄、橋)”に分かれます。痺れという運動機能に関しては大脳が重要で、“前頭葉”“側頭葉”“頭頂葉”“後頭葉”に分かれます。痺れと運動は密接に関係しています。では、運動とは脳のどの部分を活用しているのでしょうか。
     

    2-1.神経伝達

     
    神経とはどのように伝達されているのでしょうか。脳はおよそ3000億個の細胞で成っています。この細胞を、シナプスという神経伝達物質が行きかうことで、脳から各神経線維に信号を出しています。これが、神経伝達です。
     

    2-2.前頭葉

    前頭葉は、前頭前野の両側、大脳半球の前部にあります。側頭葉の前側、側頭葉の上前方に位置します。
     
    前頭葉と頭頂葉の間には、一時運動野(補足運動野とも呼ばれます)があります。一時運動野は、特定の身体部位の随意運動を制御しています。身体を動かす命令はこの一時運動野を介して、脊髄を経由して送られます。
     
    運動野の右側は左半身を、左側は右半身を支配しています。一時運動野は、前頭連合野と共同して運動を実行し、①大脳基底核と共同して、行動の計画をする②小脳の働きと共同して感覚情報に基づく運動の最適化をする、という2つの働きがあります。
     

    2-3.頭頂葉

     
    後頭葉の上部、前頭葉の後部に位置します。頭頂葉の前部には全身からの感覚情報が集まります。頭頂葉は4つの境界によって定義されており、中心溝は前頭葉との境界、頭頂後頭溝は後頭葉との境界、外側溝は側頭葉との境界、大脳縦列は左右の大脳半球の境界を作っています。
     
    一次体性感覚野は、大脳縦列、中心溝、外側溝、中心溝を含む、感覚受容野です。そのうち、中心溝が運動に関する役割を担っており、中心溝の前壁は先に説明した一次運動野があり、筋肉を動かすための神経伝達を行います。
     
    そして中心溝の後壁が一次感覚野となっており、身体からの感覚情報を受けとる仕組みになっています。
     

    2-3.大脳基底核

    大脳基底核は、大脳皮質と視床、脳幹を結び付けている神経叢です。運動機能の抑制を行っています。
     

     2-4.小脳

    後頭葉の尾側に位置しており、知覚と運動機能(平衡、筋緊張、随意運動の調節)の統合を担っています。小脳が損傷を受けると、平衡感覚に異常を来たし、精密な運動が困難になります。
     
    しかし、平衡感覚に異常をきたしても意識や知覚には異常を認めないという特徴があります。
     

    3. 脊椎

    脳内の神経については上記でご説明しましたが、脳の神経は神経叢と呼ばれる束になり、頭蓋内から延びています。この項では、脳の次に神経伝達がされる脊椎につてご説明します。
     
    ヒトの背骨には脊椎が通っています。脳から延びた神経線維が、首から下のすべてを支配しています。
     
    その内、下肢に関係する部位は、腰神経叢(Th12-L4)と仙骨神経叢(L4-S3)です。この腰から下の神経を支配する神経叢を、腰仙神経叢と呼びます。
     

    神 経 支 配 領 域

    坐骨神経 大腿の後面、屈筋群に分布。膝窩から脛骨神経と総腓骨神経に分岐する。
    総腓骨神経は、浅腓骨神経と深腓骨神経に分岐する。
    脛骨神経 下腿後面の屈筋群に分布。
    浅腓骨神経 下腿の外側の腓骨群に分布。
    深腓骨神経 下腿前面の伸筋群に分布。
    閉鎖神経 大腿内側の内転筋に分布。
    大腿神経 大腿前面の伸筋群に分布。
     
    以上が下肢を支配している神経です。
     

    4. 運動麻痺

    次に、運動麻痺についてご説明します。
     
    運動麻痺に確立した定義はなく、「運動中枢から末梢神経、筋繊維までのどこかに障害があって、随意的に運動ができない状態」とされています。
     

    4-1.上位運動ニューロン障害(中枢性麻痺)

    大脳皮質運動野から内包、脳幹、脊髄に至るまでの経路の障害です。下位運動ニューロンは障害されていないため、筋肉を動かすこと自体は可能となります(随意・不随意は不問)。筋トーヌス※1の亢進(痙性麻痺)、深部腱反射※2の亢進、病的反射が陽性、筋線維束性攣縮※3は陰性となります。
     

    4-2.下位運動ニューロン障害(末梢性麻痺)

    脊髄全角細胞から筋繊維に至るまでの末梢神経の障害です。筋トーヌスは低下(弛緩性麻痺)、深部腱反射は消失、病的反射は陰性、筋線維束性攣縮は陽性(筋の委縮)となります。
     
    ※1、筋トーヌス:神経生理学的に神経支配されている筋に持続的に生じている筋の一定の緊張状態。
     
    ※2、深部腱反射:筋肉の腱を伸展することで、該当の筋肉が不随意な収縮を起こす反射。①上腕二頭筋反射②腕橈骨筋反射③上腕三頭筋反射④膝蓋腱反射⑤アキレス腱反射
     
    ※3、筋線維束性攣縮:筋線維群もしくは一つの運動単位の無規則な自発収縮。
     
    運動麻痺を呈する疾患は様々ですが、代表的なものとしては脳血管疾患が挙げられるのではないでしょうか。
     
    例えば脳出血を引き起こせば、該当する血管が支配する領域の血流が途絶え、さらに出血により周囲の脳が圧迫することで該当する部位の運動麻痺が生じます。
     
    また、交通外傷などで下肢のいずれかの神経を損傷すれば、支配領域に運動麻痺が生じます。
     

    5. おわりに

    運動神経を呈するすべての疾患を挙げることはできませんが、メカニズムはご理解いただけたでしょうか。
     
    この記事でお力になれれば幸いです。

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